リスくんは、日本の大手ECモール運営会社Rに勤務。友人で、ロサンゼルス在住のキツネくんから連絡が入りました。キツネくんは、「人気の大谷グッズを日本で売って、一山儲けたい」、と狙っているようです。


※「大谷グッズ」を輸入するには、知的財産権の関係で日本での販売ライセンスが必要になりますが、今回の話では、分かりやすくするためにライセンスに関しては問題ないという前提で記載しています。

お前んとこのECモールで大谷グッズを売ってひと儲けしたいんだけどな。物はもう揃えてあるんだ。



で、日本でその荷物を引き取る業者は決まってるの?



え、とりあえず、お前んとこの倉庫宛に送ろうと思ってたんだけど。



そんな簡単にはいかないよ(困惑)!



お前んとこのはモールだから、そこに俺のショップをオープンすればいいんだろ?



うん。最初の仕事は、ショップを開設することだよ。



で、そしたら、物を送ればいいんだろ?



そういうわけにはいかないんだ。君はアメリカ在住で、日本に拠点はないでしょう?



ないよ。



今、海外企業も日本のECモールでショップは開設できるけど、日本にモノを輸入するためには、「輸入者」が必要なんだよ。



ユニューシャ?車か?



違う、「車」じゃなくて「者」。Importerだよ。



お前のところのモールは、輸入者にならないのか?



ならいよ。うちのモールは、あくまで場所を提供していて、物を買い取らないからね。デパートは、お店の商品を買い取って売るのではなくて、テナントに場所を貸して、テナントが自分の在庫を所有するでしょ。それと同じだよ。



えー、そうなのか!?俺の大谷グッズは、日本に在庫を置いておいて、買った人にそこから発送したいんだ。こっちから個別発送すると送料がとんでもないからさ。



もちろん、それはできるよ。ただ、僕の会社は倉庫をもっていて、海外の会社にスペースを間貸しすることはできるけど、商品の買い取りはしていないんだ。



え、じゃあ、どうすればいいんだ????



基本、輸出入には送り先の国に荷受人が必要なんだ。だれかキツネくんの商品を買い取って、日本でショップを運営してくれる人がいる場合は、この人が輸入者になる。



それは考えてない。ショップは自分で運営するから。



そうだよね。その場合は、自分で自分の商品の輸入者になるんだ。普通海外企業は日本の輸入者になれないけど、ACP(税関事務管理人)という制度を使えば、「非居住輸入者」として日本に商品が輸入できるんだよ。



ACP????なんだそりゃ?もう意味が分からん。
ということで、ドツボにハマってきたキツネくん。先が思いやられます。
さあ、ACPとは何でしょう?キツネ君は無事商品を売ることができるのでしょうか?
次回、「キツネくん、ECオープン 物流大成功への道 ACP編②」をお楽しみに!