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【キツネくん、EC大成功への道 体温計と温度計って違うの?】

そろそろ寒くなってきて、風邪、インフルエンザ等の流行が心配な季節。

「こんな時には、体温計の需要も上がるのでは?」。商売大好きキツネくんも、自分のECショップで体温計を販売することを思いつきました。

早速、大手ECモールで働く友人のリスくんに相談。

さて、どうなることでしょう?

キツネくん

そろそろ寒くなってきたし、風邪やインフルエンザも流行ってくる。体温計の需要も上がるだろうから、輸入して販売しようと思う。

リズくん

なるほど、確かにそんな時期だね。でも、体温計は医療機器だから、キツネくんには扱えないんじゃないかな?

キツネくん

え?体温計も医療機器なのか?治療するわけじゃないのに。

リスくん

うん、僕も詳しくはないから、フクロウ博士に聞いてみよう。

目次

体温計は薬機法で管理されています。

フクロウ博士

いいところに気が付いたね。その通り、体温計は「医薬品、医療機器等品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」)対象で、輸入や販売には免許が必要じゃ。

体温計は大きく分けて2種類
体温計の種類医療機器の分類輸入・製造販売
水銀毛細管体温計
(ガラス製体温計)
一般医療機器
(クラスⅠ)
医療機器製造販売業免許が必要免許は要しない。
電子体温計管理医療機器
(クラスⅡ)
医療機器製造販売業免許が必要管理医療機器販売業・貸与業届書を出す必要あり
リスくん

つまり、どちらも輸入するには免許が必要。ガラス製は有資格者に有資格者に輸入してもらい、そこから買い取って販売すればOK。でも、電子体温計は販売するにも資格が必要なのですね。

フクロウ博士

そうじゃな。直接治療するものではないが、人の健康にかかるものじゃから、薬機法で適正な審査を経て市場に出るよう、管理されているのじゃ。

キツネくん

今時、水銀体温計はほとんど見ないし、電子体温計は販売免許も要るし、これはハードルが高いな。

計量法から見る、体温計・温度計

フクロウ博士

ちなみに、「計量法」は知っているかな?

キツネくん

ケイリョウホウ?

フクロウ博士

そうじゃ。計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保するための法律じゃ。体重計やメーター、様々な測定器が対象となる。

リスくん

みんな勝手な尺度でメモリを付けないように、ということですか?

フクロウ博士

その通り。水銀も電子も、体温計は、「計量法」に基づく型式の承認も必要なのじゃ。
体温計をよく見ると、こんなマークがついておる。

キツネくん

そんなふうに管理されているのか、知らなかった~。

待てよ、体温計じゃなくて、「温度計」ってのもある。これは何だ?

フクロウ博士

キツネくんも鋭いのぉ。ざっと、このような違いがある。。

薬機法目的・特長
体温計対象人の体温を測るために設計されたものであり、計測範囲は30℃~45℃程度。
温度計対象外気温を測ったり、製造業において使われることが多く、-50℃~1,000℃まで測れるものもある。
フクロウ博士

温度計でも体温は測れるが、人体のために作られたわけではないので、体温を測りたいならば、体温計をお勧めする。
 
ただし、温度計の方がコストが低く、安価に販売できるので、使い方としては
商業施設や大勢が集まる場所で、ざっくり体温の確認をする。
簡単に体温を測り、体温が高いと疑われるときに、改めて体温計で正確に測る。

リスくん

オフィスビルの入り口にあるものは、おそらく「温度計」で、これで明らかに37℃ですよ、とか出た時に、これは正確ではないけれど、ある程度の目安になるということですね。

フクロウ博士

ちなみに、温度計のうち、計量法に該当するのはガラス製のみなのじゃ。

キツネくん

そういう意味でも、電子温度計がたくさん出回ったのか。

これは体温計?温度計?広告表現で見極める違い

リスくん

でも、一般の人が違いを認識するのは難しいですね。
僕も今初めて知りました。

フクロウ博士

そうじゃな、この知識を持って広告を見てみると、気付くことがあるぞ。
 
まずは、体温計の広告を見てみよう。

出典:https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A4%E3%83%9E-IRIS-OHYAMA-DT-104-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97/dp/B09HH83XBN?ref_=ast_sto_dp
リスくん

確かに、「管理医療機器」って書いてありますね。

フクロウ博士

そうじゃ。次に温度計の商品説明を見てみよう。

出典:https://www.amazon.co.jp/TOAMIT-%E9%9D%9E%E6%8E%A5%E8%A7%A6%E5%BC%8F%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%B8%A9%E5%BA%A6%E8%A8%88-%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BF-aimedata-%E9%9D%9E%E6%8E%A5%E8%A7%A6%E6%B8%A9%E5%BA%A6%E8%A8%88/dp/B08KY3M3LW?ref_=ast_sto_dp
フクロウ博士

何か気付くことはあるかな?

リスくん

こっちは、「医療機器ではありません」って書いてありますね。

フクロウ博士

そう。もう一つ、大きな特徴がある。

キツネくん

あ、体温計には人の体温を測っている様子が出ているけど、温度計は体温を測っている様子が出ていない!

フクロウ博士

その通り。温度計を使って、「体温を測れる」と表現することは、薬機法に違反するのじゃ。

リスくん

なるほど~。こう見ると、実際の性能はともかく、印象はずいぶん違いますね。

キツネくん

知らないで輸入していたら、大変なことになっていた!

フクロウ博士

そうじゃな。実際、せっかく輸入したのに税関で止まって積み戻し、滅却対象となることもある。

キツネ・リスくん

勉強になりました!ありがとうございました!

新規商品の扱いは、思わぬ法令・規制の対象となっている可能性があります。

販売決定前に、管轄省庁や信頼できる通関業者とよく相談し、安全に輸入を進めましょう。

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