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物流の未来が変わる?ウサギさんと学ぶ「貨物自動車運送事業法」の改正①

商社の貿易事務として働き始めたウサギさん。難解な用語、様々な業者と、学ぶことがたくさん。

「貨物自動車運送事業法」が改訂された、となんだか巷が騒がしい様子。

それって、いったい何?何か影響があるの? 今日もフクロウ博士に相談です。

目次

トラック輸送にかかわる法律「貨物自動車運送事業法」

ウサギさん

フクロウ博士、先日、トラック会社の方から「法律が変わるので運賃も見直しになるかもしれない」って言われたんですけど、どういう意味なんでしょうか?

フクロウ博士

ふむふむ、それは「貨物自動車運送事業法」の改正のことじゃな。物流の業界では、いま大きな変化が起きておるんじゃよ。

ウサギさん

「貨物自動車運送事業法」?何ですか、それ?

フクロウ博士

トラック運送業者が安全かつ適正に事業を行うためのルールを定めた法律じゃ。ドライバーの労働環境や運賃などを管理し、健全な運営を目指す指針が書かれている。

ウサギさん

そんな法律があるんですね。でも、なぜこの法律を変える必要があったんですか?

フクロウ博士

一言でいえば、「ドライバー不足の危機」ゃ。とある調査では、近い将来、トラックドライバーが2015年から2030年の間に3割減少するという予測もあるほどなんじゃ。※

ウサギさん

3割ですか……! それは大変!

フクロウ博士

そうなんじゃ。ドライバーは、生活に欠かせない“エッセンシャルワーカー”と言われておるが、実は平均賃金が全産業の平均を下回っておる。このままでは若者も入ってこない。

ウサギさん

確かに2024年問題でもトラックドライバー不足は話題になりましたね。待遇の見直しが急務ということですね。

フクロウ博士

その通り。だからこそ、業界の人々が声を上げ、議員たちの理解を得て、法律そのものを見直すという動きにつながったんじゃ。

※出典:経済産業省 令和4年度産業経済研究委託事業 調査報告書

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000614.pdf

改正の「4つのポイント」とは?

ウサギさん

では、実際にどのように変わったんですか?

フクロウ博士

ポイントは大きく4つじゃ。順番に見ていこう。

許可の更新制度がスタート

フクロウ博士

これまでは、一度許可を取れば、よほどの違反がない限りはずっと運送事業を続けられた。じゃが、今後は5年ごとに事業許可の更新が必要になるんじゃ。

ウサギさん

ということは、ずさんな管理をしている業者さんは、更新できなくなる可能性もあるということですか?

フクロウ博士

まさにそういうことじゃ。まじめにやっている業者には良い話じゃが、そうでないところには厳しい現実になるのう。

「標準的な運賃」の実効性が強化される

フクロウ博士

国が示している「標準的な運賃」という指標があるんじゃが、これまでは「参考程度」でしかなかった。今後はこれをしっかり活用して、適正な原価を下回る運賃はダメ、という流れになっていくんじゃ。

ウサギさん

運賃が安すぎると、安全やサービスの質も下がってしまいそうですね。

フクロウ博士

まさにその通り。適正な運賃がもらえなければ、無理な働き方にもつながってしまうからのう。

多重下請け構造の見直し

フクロウ博士

次に、“委託構造”の制限じゃ。運送の現場は、元請け→下請け→孫請け……と、どんどん中間業者が入る構造になりがちじゃ。結果、下請けが叩かれたり、実際に荷物を運ぶ業者にはほとんどお金が残らない、ということもあるんじゃ。

ウサギさん

なるほど……。弱い立場が苦しんでいるわけですね。

「白トラ」対策の明文化

フクロウ博士

ウサギさんは、「白トラ」という言葉を知っておるかな?

ウサギさん

いえ、白バイならわかりますが・・・。

フクロウ博士

それとは違うのぉ。「白トラ」とは、営業許可を得ていないのに、トラック事業をしている車両のことじゃ。

ウサギさん

あ、「白タク」のトラック版ですね!国の許可を得ないで、一般の白いナンバープレートでお客を運ぶのが「白タク」。

フクロウ博士

その通り。同様に、無許可で物を運ぶ事業をしているトラックが「白トラ」と呼ばれるが、今後は、こうした業者に委託すること自体が禁止される。これは明文化されて、しっかり取り締まりが行われるようになるんじゃ。

荷主に求められることもある

ウサギさん

なるほど、トラック業界が変わるんですね。でも、私たち商社にも関係あるんでしょうか?

フクロウ博士

もちろんじゃ。無理な納期や、荷待ち時間が長くなるような依頼は避けなければならん。運送会社を「使う側」も、「支える側」としての意識が求められておるんじゃよ。

ウサギさん

そうですね、荷主が無茶を言うと、運送会社さんが困る。当然ですね。

フクロウ博士

ウサギさん、「トラックGメン」は知っているかな?

ウサギさん

え?そんなのがあるんですか!?

フクロウ博士

いや、そんな強面ではないが・・・。
トラックGメンは、国土交通省が設置した特別な調査員チームで、荷主企業に対して指導や改善要請を行っておる。悪質な例は公表されることもあるから、荷主も他人事では済まされんのじゃ。

施行は段階的、でも実効性がカギ

ウサギさん

では、この新しい制度はいつから始まるんですか?

フクロウ博士

①と②の“更新制度”や“運賃の見直し”は、公布から3年以内、③と④の“委託構造”や“白トラ対策”は1年以内に施行される予定じゃ。準備期間や経過措置もあるが、実行されれば物流の姿は大きく変わるじゃろうな。

まとめ:物流は「自分ごと」に

ウサギさん

なんとなく「価格の話」だと思っていたのですが、もっと広い視点で考えるべきことなんですね。

フクロウ博士

そうじゃ。荷主としては価格は切実じゃからのぉ。しかし、トラック業界としては、別の項目が一番注目されておるんじゃ。

ウサギさん

えっ? なんですか?

フクロウ博士

それは次回、クマさんに聞いてみるとしようかのう。

それでは次号、「貨物自動車運送事業法の改正② トラック業界が懸念する本当の影響とは?」をお楽しみに!

記事管理No.: 020-01-250818

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