
税関検査って、受けないと許可にならないのはわかるけど、内容については「よくわからない~」ってお声をよくききます。
そこで今回は、皆さんが疑問に思う税関検査について見てみましょう。
税関検査って受けないとダメ?

本当に税関検査って受けないといけないんでしょうか?

そうなんじゃ。
税関検査は、関税法第67条で規定されている法定行為なので、残念ながら、検査を拒否することはできないのじゃよ。
実は、税関検査は本来、「すべての貨物が受けなければならないもの」なのです。
けれど全部の貨物の税関検査を行うのは現実的ではないので、税関の判断によって検査が省略されることがあるのですね。
ですので、検査対象にならないことが「例外」であって、検査対象となれば拒否することはできないのです。
税関検査って税関にお金を払うの?
税関検査って税関にお金を払うのかなぁ?

検査自体の費用はかからんぞ。じゃが、検査にかかる作業費用やトラック費用は有料となるんじゃ。作業・輸送費用は、一般的な物流会社の費用と同等じゃ。

税関検査自体は費用はかからないんですね。
しかし検査のためには、検査場所に貨物を移動させたり、貨物の入っている木箱などの梱包を開梱して、再度輸送のために梱包し直したり……といった作業が発生するので、どうしても費用が発生してしまうのですね。
初めて輸出入する貨物は検査になるって本当?

初めて輸出入する貨物は検査になるって本当ですか?

これは本当じゃ。リピートではなく、初めて輸出入する貨物は、原則検査対象となるんじゃ。
初めての輸出入で実績のない貨物は、税関も目を光らせていると言えます。税関から貨物についての質問が来ても、スムーズに受け答えできるよう、しっかり準備しておく必要がありますね。
検査の際に密輸が発覚することもありますか?
検査の際に密輸が発覚することもありますか?

その通り、密輸が発覚することもあるんじゃ。税関は高性能なX線検査機や麻薬犬等を駆使し、密輸を水際で防ぐためにも検査をおこなっておるぞ。

密輸は犯罪なので、当然輸入できませんが、荷主の知識不足により結果的に「虚偽の申告」となり、密輸と同様に貨物が止められることがあります。主な事例としては、申告外貨物、原産地誤認などです。荷主が自分の貨物についてしっかりと把握し、正しい申告に心がけましょう。
そういえば、検査ってどんな種類があるんだろう?

そういえば、検査ってどんな種類があるんだろう?

検査にもいくつか種類があるんじゃよ。
検査の種類を紹介するので、一緒に見てみよう。
大型X線検査
ドレーやトラックなどの車体ごとX線検査装置の中に入り、検査を受けます。
陰影や申告外貨物がないか等を確認するための、税関の検査部門による検査です。
開披検査
コンテナ/トラックから貨物を取り出し現物を確認する。
大型X線検査で陰影や異物が認められた場合に行うことが多い検査です。
貨物確認検査
税関審査官の判断により行う、内容検査。主に税関の検査場で行われ、申告中の貨物の税番(HS CODE)に相違がないかの確認をします。
現場検査
重量物等検査場に持ち込むことが困難な貨物である場合、税関が蔵置場所に出向き検査をします。
別送品検査
別送品とは、海外渡航した方が日本に帰国する際、身の回り品を本人が携帯しないで別便で送る荷物のことです。別送品も検査が必要です。
検査の種類にもいろいろあるのですね。
検査の結果、予想だにしなかった時間、費用が発生することがあります。
例えば、「梱包状態が酷く、開梱や再梱包に手間取ってしまった」、「現地から聞いていたのと違うものが入っていた」「X線で陰影が認められたので、追加検査となった」など・・・。
その場になってみないと分からず、実費請求となるので、事前に費用を想定することも難しいものです。
ですが、あらかじめどのような種類の検査があるのか把握しておけば、必要な準備・正しい申告ができるので、不安も軽減されますね。