
キツネくんはLA在住。アメリカで流行の商品を日本のECサイトで販売し、大儲けを狙っています。
これまで、
【キツネくん、ECオープン 物流大成功への道 ACP編①】【②】【③】
で、海外企業・個人が日本のECサイトで販売するのに必要な「税関事務管理人」について学びました。その後、着々とビジネスを進め始めたキツネ君。ところが、何か問題があるようです。
輸入申告制度が変わる?2025年10月の危機?

キツネくん、その後、万事順調かな?



あ、フクロウ博士。博士にいろいろ教えてもらって、何とか問題なくやってるよ。



それはよかった。



でも、【キツネくん、EC物流大成功への道 輸入代行ができないってどういうこと?】の時に、2025年10月からなんだかまた厳しくなるってはなしがあったよな。



よく覚えていたのぉ。税関からの通達を見てみよう。
貨物の輸入許可後の「運送先の所在地・名称」、輸入貨物が「通販貨物に該当するか否か」、通販貨物に該当する場合には「プラットフォームの名称等」が輸入申告項目に追加され、これらの事項についても申告していただく必要があります。
なお、輸入申告項目の追加は通販貨物やFS利用貨物に係る輸入申告のみを対象としたものではありません(「プラットフォームの名称等」を除く。)。



何だこりゃ、またなんだか、しちめんどくさいことが書いてあるな。



そう見えるがな、今回の改正は“新しい規制”ではなく、“申告項目が増える”だけじゃよ。
2025年10月12日、いったい何が変わるの?



どういうことだ?どういうことだ?



税関事務管理人制度自体はずっとあったが、ここ数年のECビジネスのグローバル化で、この制度が頻繁に使われるようになったじゃろう。



そうだな。俺がまさにその例だ。



そうじゃな。とはいえ、もともとはECビジネス用に作られた制度ではなかったのもあり、2023年10月その運用方法が“明確化”された、というのが税関の説明じゃ。



うーん、で、今回の変更は何なんだ?



この通達を読み解くと、申告項目が3つ増える、ということじゃな。その3つとはこれじゃ。
- 輸入許可後の運送先の所在地・名称、
- 貨物が通販貨物に該当するか否か、
- 通販貨物ならプラットフォームの名称等
税関に聞いてみよう!



でも、これって実際どうやって申告するんだ?俺が書く書類ったら、コマーシャルインボイスとかパッキングリストだし、それのどこかに書くのか?



税関に確認したところ、NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)に新しい欄ができるので、通関業者が輸入者から聞いて入力する形になります”とのことじゃった。これが、その画面じゃ。





ふーん、通関業者はこういうシステムにいろいろな情報を入力しているのか。



その通り。ここで、通関業者は輸入者にヒアリングをして、#1,2,3の情報を入力するのじゃ。



なるほど!それなら何か書類が増えるってわけじゃないんだな。



そういうことじゃ。



つまり、商品を送るとき、今度から『通販貨物かどうか』とか『プラットフォームの名前』を必ず伝えなきゃいけないんだな?



そうじゃ。ただし入力自体は通関業者がやってくれる。だから輸出者やプラットフォームは“正しい情報を準備して伝える”ことが大事になるのじゃ。


通販貨物輸入者だけが割を食う?すべての輸入者に影響があるの?



ちょい待てよ。てことは、これは税関事務管理人を使っている輸入者だけでなく、全部の貨物に影響があるってことか?



良い点に気が付いたのぉ。その通り。すべての貨物について、申告項目が増えるのじゃ。



俺はEC貨物を扱うから、まあこのながれもわかるけど、一般の輸入者は「なんだ?」って思うんじゃないか?



確かに“通販貨物って何?”と疑問に思う人もおるじゃろう。しかしNACCS上では必須項目になるから、通関業者が一件ずつ確認して入力する。結局、全ての輸入貨物が対象になるわけじゃ。



なるほど。それはある意味フェアだな。
- 2025年10月から 輸入申告に新項目が追加
- 追加されるのは:
- 運送先の所在地・名称
- 通販貨物か否か
- プラットフォームの名称等(該当する場合)
- 制度自体が変わるわけではなく、考え方は従来通り
- 実務では 通関業者が代理入力 → 輸入者・プラットフォームは正確な情報を伝える体制を整えることが重要



ありがとうよ、フクロウ博士。今回の変更は恐れるに足らず、だな。



頼もしいのう。キツネくんはこれまでもしっかり準備してきたからのぉ。正しい知識で、正しい申告すれば、それも武器になる。頑張りたまえ。
2025年10月はECプラットフォーム利用者だけでなく、あらゆる輸入貨物につき、本記事記載の変更が適用されます。不明な点は、信頼できる通関業者に相談してみましょう。
相広物流株式会社では、小さな相談・疑問にも親身になってご対応しています。お気軽にお問い合わせください。
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