
商社に入社し、貿易事務を始めたウサギさん。商品を輸出入するためには、いろいろな業者さんとのやり取りが発生します。
【輸出入で最初に知っておくべきTIPS④ 国際物流の登場人物】で、フォワーダー、船会社、ステベ、通関業者、運送会社、など主な業者さんの名前と流れを学びました。
では、それぞれの会社がどんなことをしているのか、具体的に見ていきましょう。
まずは、「船会社」から。
船会社は「船を持っている会社」。どういうこと?

“船会社”って、何をしてる人たちなんですか?



船会社というのは、自分たちで船を持って、港から港へ荷物を運んでくれる人たちのことじゃ。



自分で船を持つ・・・。つまり、海外旅行に行くときの航空会社のような感じですか?



よい例えじゃな。○○航空の飛行機は、○○航空が保有しており、そこに人や荷物が乗る。それと同様に、その船会社が保有するコンテナ船に荷物を乗せるんじゃ。船会社は、自分たちが就航している港に荷物を集め、船に積んで世界中を運航する。
そうじゃ、航空会社は英語で言うと“○○エアライン”になるじゃろう。船会社は”○○ライン”などという名称の会社が多い。



あ、船やコンテナの横に○○ラインって書いてあるものを見かけます!それのことですね。


船を持たない「船会社」もある



船舶を持つって、すごく大がかりな仕事ですね。



良いところに気付いたのう。船を持たずに船会社からスペースを借りて荷物を運ぶ“NVOCC”と呼ばれる会社もある。Non-Vessel Operating Common Carrierの略で、日本語では「非船舶運航業者」にあたる。



間借りをするってことですか



その通り。NVOCCとしては、少ない投資で様々な航路に物を運べるし、船会社としてもテナント料が入るから、お互いにメリットがあるんじゃ。



なるほど、お互いに支えあっているのですね。



そうじゃな。一方、船会社同士がアライアンスを組むこともある。海外旅行に行くと、○○アライアンスグループという言葉を聞くじゃろう。個人客としては、マイレージの共有などのメリットだけを感じるが、実は航空会社同士も共同運航することにより利便性を高めている。それと同じように、船会社同士が共同運航することにより、効率を高めたり、航路を広げることもできるんじゃ。
船会社が関わる書類たち



輸出入が決まると、フォワーダーを通じて、船会社にどんな荷物をいつどこに届けたいのかを伝え、ブッキングをしてもらう、という流れですね。



その通り。そこではこんな書類がやり取りされるんじゃ。


- B/L 荷主と運送人との間で運送契約を結んだことの証明。「船荷証券」。運送条件、荷主と運送人の権利義務関係など記載。通常、荷主から荷物を受け取り、船積みした後に発行。貨物の引き渡しの際に必要な「引換証」、貨物引き渡し請求権を立証する「有価証券」の役割を果たす。
- A/N 貨物到着通知。 船社/NVOCCから、B/LのNotify Partyに記載の連絡先に送付され、積載船の入港予定日と貨物の明細を記載した書類。
- D/O 貨物を引き取るために必要な書類。通常、輸送会社や運送業者に貨物を引き取る権利を提供するもの。一般的に、輸入者やその代理人が貨物を受け取るために、船会社や運送業者に提出する。これをD/O交換と呼ぶ。
まとめ



船会社の「船を持って荷物を運ぶ」という役割がよくわかりました。



その通り。輸出入の現場では、実際にはフォワーダーが荷主の代わりに船会社とやりとりしてくれるから安心じゃ。次は、そのフォワーダーの仕事をもっと詳しく見てみると良いじゃろう。
だんだんと、国際物流で関わる会社の関係がわかってきたウサギさん。
次回、「フォワーダー」について学びます。物流に関わらないと、まず聞くことのないこの会社。いったいどんなことをしているのでしょうか?お楽しみに!
記事管理No.: 020-01-250531