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国際物流の登場人物⑥ 配送業者って何をする人?

商社の新人貿易事務として日々奮闘するウサギさん。

これまで「国際物流の登場人物」シリーズで、船会社フォワーダー港湾事業者ステベ通関業者と、さまざまな立場の人たちの役割を学んできました。

今回はいよいよシリーズの最終回。

テーマは「配送業者」。

港を出た荷物を、実際に届けてくれる人たちです。

おなじみのトラック業界のベテラン・クマさんに、お話を聞いてみましょう。

目次

荷物を運ぶ最終ランナー「配送業者」

ウサギさん

船や飛行機で運ばれて、通関が終わった後、荷物はどうやって届くんですか?

クマさん

最後は俺たち“配送業者”の出番だ。港を出た荷物を、工場や倉庫、店まで運ぶ。つまり、国際輸送の“最終区間”を任されているんだ。

国をまたいだ長い旅を終えた荷物が、ようやく届け先に届くまで。その締めくくりを担うのが配送業者です。

「トラック」と「ドレー」のちがい

ウサギさん

ようやく、港から荷物をトラックで運ぶんですよね。

クマさん

ちょっと待った。トラックに積み込むとも限らないんだ。ウサギさんは港近くや高速道路で、コンテナがそのまま引っ張られているのを見たことはないかな?

ウサギさん

あ、確かに!トラックの頭みたいなものに、コンテナが引っ張られているのを見かけますね。

クマさん

そう、その通り。その名の通り、「ヘッド」「トラクターヘッド」「トレイラーヘッド」なんて呼ばれる車に、「シャーシ」という題をつなげ、そこにコンテナを乗っけるんだ。これを「ドレー」「ドレージ」という。

ウサギさん

なるほど。FCLで、コンテナ1本を丸々購入した場合、開梱しないで、そのままコンテナを倉庫や工場に運ぶんですね。

クマさん

そうだな。作業が少ない分、コストを抑えられる。ただし、荷受けする環境が整っていないと、ドレーで運ぶことはできないんだ。

ウサギさん

確かに、大きな倉庫や工場でないと、これは入らないですね。

クマさん

そうだ。LCLで輸入した場合や、受け入れ先にコンテナが入らない場合はトラックに積み替えて運ぶんだ。

  • トラック輸送:箱やパレットに積まれた荷物を運ぶ方法。宅配便や企業間の配送など、日常的に見かける形です。
  • ドレー輸送:コンテナそのものを港から内陸の倉庫や工場まで運ぶ方法。 トレーラー(シャーシ)にコンテナを載せて走ります。

トラックの種類:「チャーター」と「混載」

ウサギさん

トラックでも、種類があるんですか?

クマさん

あるよ。「チャーター便」と「混載便」だ。

  • チャーター便:トラック1台を貸し切る運び方。荷物が多いときや、納期を守りたいときに使われます。
  • 混載便:複数の荷主の荷物を1台にまとめて運ぶ方法。小口の荷物や、費用を抑えたいときに向いています。
ウサギさん

チャーター便は一台丸々抑えることで、混載便はほかのお客さんの荷物と一緒に運ぶということですね。

クマさん

そうだ。チャーターは貸し切りのタクシーで、混載は乗り合いバスみたいなものだ。前者は融通が利く代わりに高い。後者は安いが時間を自由には決められない。

ウサギさん

なるほど。そう考えるとどちらを選べばよいか、わかりやすいですね。

どう使い分ける?(ケース別の考え方)

ウサギさん

まとめると、こんな感じで輸送方法を選べばよいでしょうか?

クマさん

そうだな、少量貨物混載便でも、宅配便など時間指定に対応できるサービスは多い。

ウサギさん

確かに!巡回している運送業者さんは、一日に何回か来てくれますね。

クマさん

ああ、その他、危険品など他の荷物と混載できない場合もあるので、特殊な貨物を運ぶときは要注意だ。

まとめ

ウサギさん

これで物流の流れがぜんぶつながりました!

クマさん

そうだろう。一つ一つ見ていけば、意外とシンプルで分かりやすい。

クマさん

ああ、また何かあればいつでも聞いてくれよ。

6回シリーズですっかり物流への理解が深まったウサギさん。皆さんも、「こんなことが知りたい」「実はわからなくて困っている」ということがあれば、お気軽に当メディアにお問い合わせください

記事管理No.: 020-01-251030

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