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2軸と3軸って何だろう?

ウサギさんは貿易事務のお手伝いをする中で、コンテナを運ぶ車両の手配もするようになったようです。
そこで今回は、現場の仕事に詳しいクマさんに、車両のことについて聞いてみることにしました。

目次

ドレーって何だろう?

ドレーって何だろう?

ウサギさん

最近、海上貨物の手配をしていると、「ドレー」という言葉をよく耳にします。
輸送方法の一つみたいなんですが、これって普通にトラックで運ぶのとは何が違うんでしょうか?

クマさん

ドレー(Dray)のことだね。ドレージ(Drayge)とも呼ばれたりするよ。

ドレーとは、港と目的地の間をコンテナのまま陸上輸送することです。

クマさん

港と目的地の間をコンテナのまま陸上輸送することを、ドレーやドレージと言うんだ。
 
トラック輸送と違って、コンテナのまま輸送できるから、コンテナ船にそのまま積み下ろしすることができるよ。

ウサギさん

あっ!
それってもしかして、コンテナを台車の上に載せて、そのまま運んでいる車のことですか?
港の近くや、街中なんかでも見たことがあります。

うん、それがドレーだね。
ちなみにその台車のことは「シャーシ」と呼ぶよ。
運転席などのある前方の部分は「ヘッド」と言って、シャーシから切り離すこともできるんだ。

(参考)ドレーの構造

2軸と3軸って何が違うの?

2軸と3軸って何が違うの?

ウサギさN

ドレーの構造は分かったのですが、2軸と3軸ってドレーに関連する言葉なんでしょうか?

クマさん

うん。ドレーのシャーシには種類があるんだ。2軸と3軸があるんだ

2軸・3軸とは、シャーシの種類のことです。

ウサギさん

シャーシのタイヤの数が違いますね。

クマさん

そうなんだ。2軸はタイヤが2対、3軸はタイヤが3対ある。
当然、タイヤが多い方が重量物を運べるよ。
 
通常は2軸シャーシが使われているけれど、重い貨物を運ぶ場合は3軸シャーシを指定して選ぶんだ。3軸シャーシは割増料金がかかることが多いよ。それに、大抵の運送会社は、3軸シャーシは2軸シャーシよりも台数が少ないから、3軸指定の場合は、早めにその旨を伝えた方がいいよ。

2軸と3軸、どっちにしたらいいの?

ウサギさん

クマさんのお話で、2軸よりも3軸のほうが重い貨物を運べるってわかったんですが、具体的に貨物の重さがどれぐらい重くなったら3軸にしたほうがいいんでしょうか?

クマさん

2軸か3軸か選ぶには、「道路交通法」の最大積載重量を知る必要があるよ。「道路交通法」の重量は、道路を安全に走るために、守るべき重量のことなんだ。

【道路交通法】
(20Fドライコンテナ)
        2軸シャーシ使用→コンテナ含め20,320kg(-Tare 約2,200kg =)貨物だけで約18トン
        3軸シャーシ使用→コンテナ含め24,000kg(-Tare 約2,200kg =) (貨物だけで約21トン
(40Fドライコンテナ)
       2軸シャーシ使用→コンテナ含め24,000kg(-Tare約3,800~4,200kg =) (貨物だけで約20トン
       3軸シャーシ使用→コンテナ含め30,480kg(-Tare約3,800~4,200kg =) (貨物だけで約26トン

クマさん

ちなみにTareというのは、Tare Weight(ティアウェイト、テアウェイト、T/W)の略だよ。中身が空っぽのコンテナだけの重さのことだよ。

ウサギさん

うーん、ややこしい……

クマさん

そうだね。数字に幅があってややこしいのは、コンテナ自体の重さであるTare Weightが、メーカーや材質によって、若干異なるからだね。40フィートコンテナの場合は、一口に40フィートと言っても、ハイキューブと言って背の高いコンテナもあるから、それによってもコンテナ自体の重さは変わってくるね。

細かい数字まで把握するのは大変だから、まずは赤い数字だけざっくりと覚えておくといいと思うよ。
2軸か3軸か、判断する分かれ目は、貨物だけでだいたい18~20トン前後だから、これぐらいの重量になりそうな時は、運送会社に2軸か3軸か事前に相談するといいと思うよ。
もしどちらにするか不安な場合は、3軸を選んでおけば安心だね。

(参考)コンテナ自体の強度による制限重量

上記の制限重量は、「道路交通法」という日本国内の法律によるものです。2軸か3軸かを考える際は、この「道路交通法」を意識すれば良いですが、それとは別に、コンテナ自体の強度についても気を付けないといけません。


【コンテナ自体の強度による制限重量】

(20Fドライコンテナ)
 コンテナ含め20,320~30,480kg (-Tare 約2,200kg =)(貨物だけで約18~28トン程)

(40Fドライコンテナ)
 コンテナ含め24,000~30,480kg (-Tare約3,800~4,200kg =)(貨物だけで約20~26トン程)

この「コンテナ自体の強度による制限重量」は、国際規格で決められた制限重量です。コンテナ自体の底が抜けてしまったり、変形してしまったりしないように守るべき重量で、この重量は、コンテナ本体のドア部分に記載してある重量です。

なぜ軸を選ぶことが重要?

ウサギさん

軸を選ぶのって、やっぱり重要なんでしょうか?
運送会社や物流会社に何となく任せてしまってはダメですか?

クマさん

運送会社や物流会社では貨物自体の重さは分からないケースが多いから、荷主がしっかり自分の貨物の重量を把握して、軸を選ぶ必要があるよ。
 
道路交通法やソーラス条約によって、安全な重量というのが決まっているんだ。これらをしっかり守ってコンテナに貨物を詰め、輸送する必要がある。
重量を軽視してしまうと、大事故につながる可能性もあるんだ。

ウサギさん

えっ!大事故ですか!?

クマさん

過積載といって、法律などで定められた最大重量を超えて重すぎる貨物を積んでしまうと、重大な事故を引き起こす可能性がある。
実際にこういった事故が過去に何度も起きているから、道路交通法やソーラス条約といった法律や条約が整備されていったんだよ。
 
3軸が必要なほど重い貨物なのに、2軸を選んでしまうと、タイヤがバーストして、大変な事態に繋がることもあるんだ。
 
だから荷主が自分の貨物の重量をしっかり把握して、運送会社や物流会社へ正確な重量を伝えることが大切なんだ。もし重量が違って事故が起こってしまうと、運送会社だけでなく、荷主にも罰則が行くし、他人任せにしてはいけないよ。
コンテナに詰める貨物の重量をきちんと把握して、2軸か3軸か、適切なシャーシを選ぶ必要があるよ。

(参考) タイヤ1個あたりで約5tの重さに耐えられます。
つまり、1軸(タイヤ2個)あたりだと、約10tの重さに耐えられます。
2軸=コンテナ含めて、約20tまで
3軸=コンテナ含めて、約30tまで  とイメージすると分かりやすいかもしれません。

   

2軸と3軸を適切に選ぶことは、事故の防止や輸送の安全にも繋がるということが、ウサギさんも分かったようです。

運送会社や物流会社が貨物の重量をしきりに聞いてきて、面倒になってしまうこともあるかもしれません。しかし、安全な輸送のためにとても大切なことなので、自分の貨物の重量は責任を持って把握し、運送会社や物流会社に正確に伝えるようにしましょう。

記事管理No.: 010-01-241227

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