
キツネくんはロサンゼルス在住。
日本のECショップに出店するため、輸出準備を進めています。
でも、輸出のためには、いろいろな書類が必要。
ECショップ運営会社で働く、友人のリスくんが様子を確認するため、連絡をしてきました。
さあ、どうなることでしょう?
輸出入書類の基本:コマーシャルインボイスとパッキングリスト

キツネくん、輸出の準備は順調?



ものは揃ったんだけど、物流会社からいろいろ言われて頭が混乱するよ。初めて聞く言葉ばっかりだ。



例えば?



出荷するにも、いろんな書類がいるだろ。何とかインボイスとか、何とかリストとか。



コマーシャルインボイスと、パッキングリストかな?



そう、それだ!いったい何なんだ?



何を幾つ送るかとか、荷物の中身を示すものだけど、はっきりは分からないなぁ。フクロウ博士に聞いてみよう。



またまたお呼びかな?



はい、キツネくんがいよいよ日本に向けて出荷するのですが、書類が難しくて困ってるんです。



初めての輸出だと、混乱するのも当然じゃ。なんの書類かな?



何とかインボイスと、何とかリスト。



コマーシャルインボイスと、パッキングリストだよ。



あ、そう、それそれ。
なるほど。それでは、一つずつ見ていこう。



なるほど。それでは、一つずつ見ていこう。
コマーシャルインボイスとは?



これがコマーシャルインボイスじゃ。何が書いてあるかな?





上の方は、Shipper、Consigneeなどですね。



いきなり意味が分からん。



Shipperは出荷する人、つまり輸出者。Consigneeは荷受人、つまり輸入者じゃ。



宅配便と同じですね!



その通り。そう考えればシンプルじゃな。その下はどうかな?



カートン番号、商品名、個数、値段、などですね。



それくらいは俺でもわかるぞ。



そうじゃ、これにより、幾らの商品がいくつ載っていて、だから総計幾らの貨物なのかが分かる。つまり、貨物の価値が分かるための書類じゃ。



素材とか、HSコードとか書くところもありますね。



HSコード?



輸出入の時の税番号じゃ。あらゆる品は税番号が決まっており、それにより関税率が異なるのじゃ。正しく申告して、正しく徴税・納税をすることが、最終的な目的じゃ。



俺の大谷Tシャツは、何番なんだ?そんなの分からないぞ。



分からない場合は空欄で大丈夫じゃ。通関業者が調べてくれる。ただし、例えばTシャツでも、木綿なのかポリエステルなのかで税率が違う。だから、素材を書く欄があるんじゃ。



なるほど~。正しい税申告のため、と思えば分かりやすいですね。



その通り。目的を考えれば、書類はシンプルに見えてくる。
パッキングリストとは?



次に、パッキングリストを見てみよう。





上の方はコマーシャルインボイスとほとんど一緒だな。



そうじゃな。下の方はどうかな?



カートン番号、商品、数、カートンサイズ、重さ、などですね。



こっちはだいたい物理的な内容だな。



その通り。どの箱に何が入っていて、どれだけ大きいのか、どれだけ重いのか、という具体的なことが書かれている。



物流業者さんが適切にモノを運ぶため、ということですね。



そうじゃ。そして、これによって物流費用もだいたい計算できる。



倉庫の人もバイヤーも、どの箱に何が入ってるか分かれば便利ですね。



確かに~。俺も引っ越しの時、どこに何を入れたか分からなくて、めちゃくちゃ困ったよ。箱に番号書いておけばよかった、って思ったよ・・・。



それは大変じゃったな。そういう体験は、物流を理解するのに非常に役に立つ。良い勉強じゃったな。



厳しいなぁ。まあ、自分の引っ越しくらいでよかったよ。



再度まとめよう。
コマーシャルインボイス=モノの価値と、所有権を示すもの
目的:正しく税金を徴収するため
パッキングリスト=中身と大きさ・重さを示すもの
目的:滞りなく物流を行うため



なるほど、よく分かったよ。目的を考えれば、書類も怖くないな。



さすがキツネくん!いよいよ輸出、頑張ってね!
記事管理No.: 011-01-250115