EPA関税認定アドバイザーとは?

博士、ちょっと困っているんです。輸出する商品の原産地証明書を取ってほしいと、現地側から相談があって…



海外側で関税を安くするために、現地の輸入者から原産地証明書を日本側で取得してほしいという相談じゃの。そういった話はよく聞くのう



その原産地証明書の取得方法がよく分からないんです。社内に詳しい人もいなくて、誰に相談したらいいのか分からないんです。毎回フクロウ博士に聞くわけにもいかないし…



それなら“EPA関税認定アドバイザー”に聞いてみるのはどうじゃ?



EPA関税認定アドバイザー?



簡単に言うと、EPAの活用を支援する専門家じゃ。


どんな人?どうやったらなれるの?



EPAって経済連携協定ですよね?関税が安くなるって聞いたけど、正直、仕組みが複雑で……。



その通り。EPAを使えば輸出入で関税が下がるけれど、原産地規則やHSコードなど専門的な知識が必要で、実務担当者だけでは判断が難しいケースが多い。
そこで財務省関税局の支援を受けて、日本通関業連合会が制度を立ち上げたんじゃ。通関士の中から特別な養成講座を受けて合格した人が「EPA関税認定アドバイザー」になれるんだよ。



なるほど!通関士さんしかなれないんですね。通関士さんも貿易のスペシャリストなのに、その中でもさらに専門的な知識を持った人だなんて、とても頼りになりそうです。


どんなことを相談できるの?



EPAの根幹となる「原産地規則」「HSコード(関税分類)」「協定の使い分け」などを学んでおるから、ウサギさんの原産地証明書取得の相談にも乗ってくれるはずじゃ。



そうなんですね!
他にはどんな相談に乗ってくれるんですか?



例えばこんなことを相談できるぞ。
EPA関税認定アドバイザーへの相談例
- 例① アパレルメーカー:布地の原産国が混在、原産性の判定で困る。
➡こういうときに原産性の判定の補助をしてくれるのがアドバイザー。布地の比率や加工工程をもとに、「日本産」と言えるかを整理してくれる。 - 例② 工具メーカー:HSコードが分からない。
➡HSコードの判定は専門知識が必要。アドバイザーに相談すれば、正確な分類を提案してくれる。 - 例③ 食品輸入業者:複数EPAのどれを使えば関税が安いか分からない。
➡複数の協定が使える場合、どちらが有利かを比較してアドバイスしてくれるのもアドバイザーの役割。結果的にコストをぐっと抑えられる可能性がある。 - 例④ 部品メーカー:サプライヤー証明書を求められ困惑。
➡EPAを利用する取引では、下請けも原産性を証明する書類を求められることがある。アドバイザーは必要な書式や判定手順についてアドバイスをくれるから、安心して対応できる。
EPA関税認定アドバイザーを活用している物流会社



手続きがややこしくて一人じゃ難しいことでも、EPA関税認定アドバイザーに相談できるなら心強いですね!



そうじゃろう。EPAを正しく使えば、関税コストを下げて国際競争力を高められる。EPA関税認定アドバイザーは、その道案内役なんじゃよ。



もしEPAで迷ったら、専門家に聞くのが一番ですね。



最近では、EPA関税認定アドバイザーを活用するサービスを始めた物流会社もあるようじゃ。困ったらこういったサービスを提供している会社に問い合わせてみるのも手じゃ。
EPA関税認定アドバイザーのサービスを提供している物流会社の例
相広物流株式会社(EPA関税認定アドバイザリーサービス)



さっそく相談してみようと思います!
EPAを活用すれば、関税を下げて企業の利益を守り、商機を広げることができます。けれど、そのルールや仕組みはとても複雑です。
そんなとき頼りになるのが、EPA関税認定アドバイザー。貿易に携わる人なら知っておきたい存在です。
「EPAって難しそう……」と思ったら、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
記事管理No.: 029-01-251015