
LA在住のキツネくんは、今日も狐視眈々(?)とビジネスチャンスを狙っています。
今回は、アメリカで人気の特別な塩を見つけました。日本に住む友人が輸入し、ひと儲けを考えているようです。
さてさて、うまくいくでしょうか?
バズっている“プレミアムソルト”
フクロウ博士おぉ、キツネくん。久しぶりじゃな。なんだか嬉しそうじゃの。
よい商材でも見つかったかな?



フクロウ博士!今回も、俺様の天才ぶりにびっくりするぜ。
今アメリカでバズってる「プレミアムミネラルソルト」。
肉にかけるだけでレストランの味になるらしい。これ、日本で売れば絶対いけるでしょ。



ほぉ、塩か。



ああ。日本の友達が輸入したいっていうんだ。塩だし、簡単だろ?



……その“塩だから簡単”という考えが、一番危ないのじゃ。


専売時代からの「塩事業法」



塩ってただの調味料だろ?そんなに大げさな話なのか?



そう思うのも無理はない。しかしのう、塩は昔から“特別な存在”だったのじゃ。



特別?どういうことだ?



日本ではかつて、塩は国が管理する“専売”だった。



え、国が塩を売ってたのか?



細かくは少し違うが、昔は「日本専売公社」という公的な事業体が管理していたのじゃ。塩は生活に不可欠じゃからな。安定供給や価格を守るため、国がコントロールしておった。国にとっては、国民生活を安定させるととともに、国家財政にとって重要な収入源でもあった。



じゃあ、俺は扱えないのか?



いや、基本的に手続きさえすれば取り扱えるぞ。臆せず、手順を学んでいこう。
まずは、食品として扱う場合と、それ以外のケースに分けてみよう。


塩事業法のポイント



まず、ここが見落とされがちな本題じゃ。自ら輸入した塩を販売する場合、「塩特定販売業」の登録が必要になる。



登録!?



その通り。その前に、塩を輸入するには「塩特定販売業者」もしくは「特殊用塩特定販売業」の2種類がある。
- 塩特定販売業者の登録
塩事業法上、「塩」とは塩化ナトリウムの含有量が40%以上の固形物を指します。自らまたは他の者に委託して輸入した塩を販売し、または自ら使用することを特定販売といいます。 塩の輸入販売を行う場合、「塩特定販売業者」(輸入販売業)として財務大臣の登録を受ける必要があります。 - 特殊用塩特定販売業の届出
特殊用塩のみの塩の特定販売を業として行う場合、「特殊用塩特定販売業者」として財務大臣に届出を行う必要があります。この場合の特殊用塩とは以下に該当するものです。- 医薬品医療機器等法第2条に規定する医薬品、医薬部外品または化粧品に該当する塩
- 試薬塩化ナトリウム
- 細菌等の試験研究用の培地として使用される塩、その他もっぱら学術研究または教育用に供される塩
- 銅のメッキ処理過程等においてもっぱら触媒の用に供される塩
- 亜鉛、鉄その他の金属成分を含有する塩で、直方体または球形等の塊状に成型されたもの
- 塩化ナトリウムの含有量が60%以下の塩で、塩化ナトリウムとそれ以外の成分が容易に分離しがたいもの
- 販売先を限定して試験的に販売される塩であって、年間販売数量が100トン以内のもの



何だこりゃ。全然わかんねぇ。



ざっくり言って、混ぜ物のない食塩(ハーブソルトなどは対象外)は前者に当たる。後者はそれ以外で、浴用塩やマッサージソルト、その他工業・化学用の塩と考えるとわかりやすい。
では、食品と、それ以外の用途に分けて考えてみよう。
ケース①:食品として輸入する場合
適用される主な法律



塩って言ったら、大体が食べるものだろう。そしたら、食品衛生法対象か…。



その通り。食用として売る場合、関係するのはこの2つじゃ。
・食品衛生法
・塩事業法
「食品」としての手続き



前に、ウサギさんがやっていたな。「食品を輸入するときの手続きと必要書類の概要」で読んだよ。



感心、感心。必要な手続きを覚えておるかな?



こんな感じだろ?
- 食品等輸入届出
- 成分・製造工程の確認
- 必要に応じた検査(命令・モニタリング・自主)
- 食品表示





しっかりとポイントを押さえておるのぉ。塩は食品の手続きとしては、比較的シンプルじゃ。
「塩事業法」上の手続き



塩事業法としては、「塩特定販売業者の登録」をするんだな。



その通り。この登録は“届出”ではない。“審査”がある。



申請すればいいってものじゃないんだな。



さすが、理解が早いのぉ。
主に、この3点について記載し、審査を受ける。
・用途(食用としての整理)
・販売先・流通経路
・管理体制
👉「ちゃんと管理できる事業者か」が問われる



申請して通ったらOKなのか?



いやいや、登録後の義務もある。
・定期報告(輸入量・販売量・在庫)
・変更届(会社情報など)
・帳簿管理
👉「どこにどれだけ流れたか」を継続的に管理するのじゃ。
食品としての塩=食品衛生法+塩事業法(登録)
ケース②:食品以外の用途での輸入



塩事業法の前に、塩を利用する目的を考えてみよう。そのバスソルトはどんな効果があるのかな?



そりゃ、美肌とか、発汗もするらしいし、あと、ピンクソルトだから色がかわいいって、女子には人気だな。



なるほど。魅力的じゃが、薬機法上は少々ハードルが高いのぉ。



え?ただの塩なのに?



そうじゃ。バスソルトをはじめ、入浴剤は薬機法上、3つに分けられると考えるとよい。
| 使用目的 | ||
| 香りを楽しむ 色を楽しむ 泡を楽しむ | 【シンプルに「楽しむ」場合】 薬機法対象外。いわゆる「雑貨」 | 誰でも輸入・販売ができる |
| 美肌 保湿 | 【美容上の効果】 薬機法上「化粧品」 | 輸入には化粧品製造販売業の免許が必要で、製品に対しては「化粧品製造販売届」を提出。 |
| 発汗 血行促進 肩こりなど | 【健康上の効果】 薬機法上「医薬部外品」 | 輸入には医薬品製造販売業の免許が必要で、製品に関しては「医薬部外品製造販売承認申請」を行う。 |



なるほど・・・。香りや色を楽しむだけならよいが、それ以上の効果を言おうとすると、専門の届出や申請がいるんだな。
薬機法上の分類と手続き



では、塩事業法としての手続きを見てみよう。こちらは、「特殊用塩特定販売業」の届出となる。



ん?今度は「届出」?なのか?



よいところに気付いたのぉ。ここが大きな違いじゃ。
登録:審査あり
届出:原則審査なし



じゃぁ、特殊用塩特定販売業は、届け出を出せばよいだけなのか?



まぁ、提出する内容の煩雑さは「塩特定販売業者」登録申請とそれほど変わらない。届出後は、財務大臣(税関長)名義で受理の連絡が入るんじゃ。



実際に輸入・販売が始まったら、これも報告が必要なのか?



その通り。難しくはないが、こんな様式で年1回
👉「その用途で使われているか」が重要じゃ。
バスソルト=塩事業法上は届出で済むが、バスソルトそのものの用途・広告文章に注意。
比較:食品 vs バスソルト
| 項目 | 食品衛生法 | 薬機法 | 塩事業法 |
| 食品(食用塩) | 対象 | 非対称(効能をうたわない場合) | 登録 |
| バスソルト | 対象外 | 条件により適用 | 届出 |



同じ塩なのに、ずいぶん違うんだなぁ。ちょっと舐めてたよ。



うむ。今気づけたのはよかったのぉ。しょっぱい思いをしないよう、しっかり準備をすることが重要じゃ。
シンプルな製品も、意外と落とし穴があることもあります。新しい製品を扱う際は、相談できる物流業者・通関業者がいると安心ですね。
ご興味のある方は、このサイトの運営者「相広物流株式会社」までどうぞ。
参考:JETRO「塩の輸入手続き」https://www.jetro.go.jp/world/qa/04M-010766.html
塩特定販売業登録申請:https://www.customs.go.jp/tokyo/content/shio_annai.pdf
塩特定販売業者 報告フォーム https://share.google/yzwCTp2xKfy8Owu6c
特殊用塩販売業届出:https://www.customs.go.jp/tokyo/zei/shio2_todoke.pdf
特殊用塩販売業者 報告フォーム https://www.mof.go.jp/policy/tab_salt/reference/salt_result/yoshiki8.pdf
記事管理No.: 039-01-260715



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