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なめちゃいけない、塩輸入。知らないと止まる「塩事業法」

LA在住のキツネくんは、今日も狐視眈々(?)とビジネスチャンスを狙っています。

今回は、アメリカで人気の特別な塩を見つけました。日本に住む友人が輸入し、ひと儲けを考えているようです。

さてさて、うまくいくでしょうか?

目次

バズっている“プレミアムソルト”

フクロウ博士

おぉ、キツネくん。久しぶりじゃな。なんだか嬉しそうじゃの。
よい商材でも見つかったかな?

キツネくん

フクロウ博士!今回も、俺様の天才ぶりにびっくりするぜ。
今アメリカでバズってる「プレミアムミネラルソルト」。
肉にかけるだけでレストランの味になるらしい。これ、日本で売れば絶対いけるでしょ。

フクロウ博士

ほぉ、塩か。

キツネくん

ああ。日本の友達が輸入したいっていうんだ。塩だし、簡単だろ?

フクロウ博士

……その“塩だから簡単”という考えが、一番危ないのじゃ。

専売時代からの「塩事業法」

キツネくん

塩ってただの調味料だろ?そんなに大げさな話なのか?

フクロウ博士

そう思うのも無理はない。しかしのう、塩は昔から“特別な存在”だったのじゃ。

キツネくん

特別?どういうことだ?

フクロウ博士

日本ではかつて、塩は国が管理する“専売”だった。

キツネくん

え、国が塩を売ってたのか?

フクロウ博士

細かくは少し違うが、昔は「日本専売公社」という公的な事業体が管理していたのじゃ。塩は生活に不可欠じゃからな。安定供給や価格を守るため、国がコントロールしておった。国にとっては、国民生活を安定させるととともに、国家財政にとって重要な収入源でもあった。

キツネくん

じゃあ、俺は扱えないのか?

フクロウ博士

いや、基本的に手続きさえすれば取り扱えるぞ。臆せず、手順を学んでいこう。
まずは、食品として扱う場合と、それ以外のケースに分けてみよう。

塩事業法のポイント

フクロウ博士

まず、ここが見落とされがちな本題じゃ。自ら輸入した塩を販売する場合、「塩特定販売業」の登録が必要になる。

キツネくん

登録!?

フクロウ博士

その通り。その前に、塩を輸入するには「塩特定販売業者」もしくは「特殊用塩特定販売業」の2種類がある。

「塩特定販売業者の登録」と「特殊用塩特定販売業の届出」
  1. 塩特定販売業者の登録
    塩事業法上、「塩」とは塩化ナトリウムの含有量が40%以上の固形物を指します。自らまたは他の者に委託して輸入した塩を販売し、または自ら使用することを特定販売といいます。 塩の輸入販売を行う場合、「塩特定販売業者」(輸入販売業)として財務大臣の登録を受ける必要があります。
  2. 特殊用塩特定販売業の届出
    特殊用塩のみの塩の特定販売を業として行う場合、「特殊用塩特定販売業者」として財務大臣に届出を行う必要があります。この場合の特殊用塩とは以下に該当するものです。
    1. 医薬品医療機器等法第2条に規定する医薬品、医薬部外品または化粧品に該当する塩
    2. 試薬塩化ナトリウム
    3. 細菌等の試験研究用の培地として使用される塩、その他もっぱら学術研究または教育用に供される塩
    4. 銅のメッキ処理過程等においてもっぱら触媒の用に供される塩
    5. 亜鉛、鉄その他の金属成分を含有する塩で、直方体または球形等の塊状に成型されたもの
    6. 塩化ナトリウムの含有量が60%以下の塩で、塩化ナトリウムとそれ以外の成分が容易に分離しがたいもの
    7. 販売先を限定して試験的に販売される塩であって、年間販売数量が100トン以内のもの
キツネくん

何だこりゃ。全然わかんねぇ。

フクロウ博士

ざっくり言って、混ぜ物のない食塩(ハーブソルトなどは対象外)は前者に当たる。後者はそれ以外で、浴用塩やマッサージソルト、その他工業・化学用の塩と考えるとわかりやすい。

では、食品と、それ以外の用途に分けて考えてみよう。

ケース①:食品として輸入する場合

適用される主な法律

キツネくん

塩って言ったら、大体が食べるものだろう。そしたら、食品衛生法対象か…。

フクロウ博士

その通り。食用として売る場合、関係するのはこの2つじゃ。
・食品衛生法
・塩事業法

「食品」としての手続き

キツネくん

前に、ウサギさんがやっていたな。「食品を輸入するときの手続きと必要書類の概要」で読んだよ。

フクロウ博士

感心、感心。必要な手続きを覚えておるかな?

キツネくん

こんな感じだろ?

食品輸入の基本的手続き
  • 食品等輸入届出
  • 成分・製造工程の確認
  • 必要に応じた検査(命令・モニタリング・自主)
  • 食品表示
リスくん

しっかりとポイントを押さえておるのぉ。塩は食品の手続きとしては、比較的シンプルじゃ。

「塩事業法」上の手続き

キツネくん

塩事業法としては、「塩特定販売業者の登録」をするんだな。

リスくん

その通り。この登録は“届出”ではない。“審査”がある。

キツネくん

申請すればいいってものじゃないんだな。

リスくん

さすが、理解が早いのぉ。
主に、この3点について記載し、審査を受ける。
・用途(食用としての整理)
・販売先・流通経路
・管理体制
👉「ちゃんと管理できる事業者か」が問われる

キツネくん

申請して通ったらOKなのか? 

リスくん

いやいや、登録後の義務もある。
・定期報告(輸入量・販売量・在庫)
・変更届(会社情報など)
・帳簿管理
👉「どこにどれだけ流れたか」を継続的に管理するのじゃ。

💡まとめ

食品としての塩=食品衛生法+塩事業法(登録)

ケース②:食品以外の用途での輸入

リスくん

塩事業法の前に、塩を利用する目的を考えてみよう。そのバスソルトはどんな効果があるのかな?

キツネくん

そりゃ、美肌とか、発汗もするらしいし、あと、ピンクソルトだから色がかわいいって、女子には人気だな。

リスくん

なるほど。魅力的じゃが、薬機法上は少々ハードルが高いのぉ。

キツネくん

え?ただの塩なのに?

リスくん

そうじゃ。バスソルトをはじめ、入浴剤は薬機法上、3つに分けられると考えるとよい。

使用目的
香りを楽しむ
色を楽しむ
泡を楽しむ
【シンプルに「楽しむ」場合】
薬機法対象外。いわゆる「雑貨」
誰でも輸入・販売ができる
美肌
保湿
【美容上の効果】
薬機法上「化粧品」
輸入には化粧品製造販売業の免許が必要で、製品に対しては「化粧品製造販売届」を提出。
発汗
血行促進
肩こりなど
【健康上の効果】
薬機法上「医薬部外品」
輸入には医薬品製造販売業の免許が必要で、製品に関しては「医薬部外品製造販売承認申請」を行う。
キツネくん

なるほど・・・。香りや色を楽しむだけならよいが、それ以上の効果を言おうとすると、専門の届出や申請がいるんだな。

薬機法上の分類と手続き

リスくん

では、塩事業法としての手続きを見てみよう。こちらは、「特殊用塩特定販売業」の届出となる。

キツネくん

ん?今度は「届出」?なのか?

リスくん

よいところに気付いたのぉ。ここが大きな違いじゃ。
登録:審査あり
届出:原則審査なし

キツネくん

じゃぁ、特殊用塩特定販売業は、届け出を出せばよいだけなのか?

リスくん

まぁ、提出する内容の煩雑さは「塩特定販売業者」登録申請とそれほど変わらない。届出後は、財務大臣(税関長)名義で受理の連絡が入るんじゃ。

キツネくん

実際に輸入・販売が始まったら、これも報告が必要なのか?

リスくん

その通り。難しくはないが、こんな様式で年1回
👉「その用途で使われているか」が重要じゃ。

💡まとめ

バスソルト=塩事業法上は届出で済むが、バスソルトそのものの用途・広告文章に注意。

比較:食品 vs バスソルト

項目食品衛生法薬機法塩事業法
食品(食用塩)対象非対称(効能をうたわない場合)登録
バスソルト対象外条件により適用届出
キツネくん

同じ塩なのに、ずいぶん違うんだなぁ。ちょっと舐めてたよ。

リスくん

うむ。今気づけたのはよかったのぉ。しょっぱい思いをしないよう、しっかり準備をすることが重要じゃ。

シンプルな製品も、意外と落とし穴があることもあります。新しい製品を扱う際は、相談できる物流業者・通関業者がいると安心ですね。

ご興味のある方は、このサイトの運営者「相広物流株式会社」までどうぞ。

参考:JETRO「塩の輸入手続き」https://www.jetro.go.jp/world/qa/04M-010766.html

塩特定販売業登録申請:https://www.customs.go.jp/tokyo/content/shio_annai.pdf

塩特定販売業者 報告フォーム https://share.google/yzwCTp2xKfy8Owu6c

特殊用塩販売業届出:https://www.customs.go.jp/tokyo/zei/shio2_todoke.pdf

特殊用塩販売業者 報告フォーム https://www.mof.go.jp/policy/tab_salt/reference/salt_result/yoshiki8.pdf

記事管理No.: 039-01-260715

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