商社に入社し、貿易事務を始めたウサギさん。商品を輸出入するためには、いろいろな業者さんとのやり取りが発生します。
フォワーダー？船会社？通関業者？いったい誰がどんなことをしているの？こんな時は、フクロウ博士に聞いてみましょう。
○○海運？○○物流？いったい何の会社？
ウサギさんはぁ、貿易事務を始めたけど、何が何だか。やっていけるかなぁ
フクロウ博士どうしたのかな？浮かない顔をしているのぉ。
ウサギさんあ、フクロウ博士！
フクロウ博士元気がないようじゃな。耳が後ろにペタンと倒れている。
ウサギさんえ、そんなことまでわかるんですか！そうなんです、貿易事務の仕事に就けたものの、いろんな業者さんとのやり取りがあって、複雑すぎて。先輩たちは当たり前のようにやり取りされてるから、とても聞けないんです。
フクロウ博士うんうん、貿易は専門用語が多いからのぉ。どんな会社とのやり取りかな？
ウサギさん○○物流さんとか、○○海運さんとか、そんな会社の名前ですね。たくさんいるのは分かるのですが、いったい何をしているのか。
こんなイメージです・・・。
フクロウ博士そうじゃなぁ。国際物流はいろいろな業者の連携で進むからのぉ。ウサギさんの会社は輸入をいているのかな？輸出かな？
ウサギさん船で輸入をしています。輸出元が輸出港までは手配するけど、そこから荷物を渡されることが多いです。
フクロウ博士なるほど。では、船便で輸入するとして、輸出国の港からの大まかな流れから説明しよう。
ウサギさんありがとうございます！
「モノの流れ」と「書類の流れ」で理解しよう。
ウサギさん貿易事務をやっていると、通関業者とか、船会社とかいろんな業者の名前を聞きますが、具体的に何をしているのか、全然わからなくて。
フクロウ博士うんうん。図解して説明しよう。
大きく分けて、「モノの流れ」と「書類の流れ」と理解するのが良いじゃろう。
ウサギさんモノと書類は別なんですか？
フクロウ博士そうじゃ。それぞれの専門業者が扱っているんじゃ。
モノの流れ①：フォワーダーと船会社
ウサギさん私の会社は輸入をするので、「輸入者」の立場ですね。
輸入が決まったら、「フォワーダーさん」と呼ばれる人たちに連絡をしています。でも実際、何をする人たちですか？
フクロウ博士フォワーダーは、輸入者の窓口となって、輸送と書類に関する手配をいろいろ行っている。
ウサギさんそうなんですね、いつも1つの会社とやり取りしていますが、実はその向こうにたくさんの会社があるのですね。
フクロウ博士その通り。まずは、ウサギさんから依頼を受けたフォワーダーは、「船会社」に連絡して、船を手配する。輸出国の港で荷物を受け取ってもらうんじゃ。
ウサギさん船会社？
フクロウ博士船会社とは、船舶を所有して、輸出国の港から輸入国の港まで貨物の運送を扱う事業者のことじゃ。海運会社とも呼ばれる。
ウサギさんなるほど。フォワーダーとは別なんですね。
フクロウ博士そうじゃな。実際は一つの会社が複数の機能を持つこともあるが、分けて考えると分かりやすい。
モノの流れ②：船が日本に着いたらどうなる？
ウサギさん船が日本に届くとどうなるんですか？
フクロウ博士貨物そのものは船から降ろされる。
この作業を行うのが「ステベ」と呼ばれる業者じゃ。
ウサギさんすてべ？何ですか、それ？
フクロウ博士英語のStevedoreがなまったものじゃ。港で貨物の積み下ろしをする作業員を意味する言葉じゃが、日本ではそういった作業を行う会社を指す。
ウサギさんなるほど、実際に貨物を船から降ろしてくれる業者さんですね。それはイメージしやすいです。
あれ？この図を見ると、モノの流れが二つに分かれていますね。
フクロウ博士よく気付いたのぉ。違いは分かるかな？
ウサギさんえーっと、段ボールに分かれたのと、コンテナがそのままなのと・・・。
フクロウ博士その通り。1コンテナに満たない貨物はバラにして、トラックに載せる。コンテナいっぱいの貨物は、コンテナのままトレーラーで運ばれる。
ウサギさんこんな感じの車ですね！港付近や高速道路でたまに見かけますね！
フクロウ博士そうじゃ。実は身近に見かけるチャンスは多い。これを行うのが、いわゆる「運送会社」じゃ。
ウサギさんなるほど！それは分かりやすいです。
書類の流れ：税関と通関士
ウサギさんでも、陸送する前に、書類のやり取りが必要ですね。
フクロウ博士その通り。「輸入申告」じゃ。
ウサギさん書類の提出先は税関ですね？
フクロウ博士そうじゃ。輸入申告は、通関業者に依頼する輸入者が多いのぉ。
ウサギさん依頼しない人もいるんですか？
フクロウ博士そうじゃ。そもそも、輸入申告は輸入者が自分でできるのじゃ。
でも、申告はコツがいるので、プロに任せることが多い。他社の代理で申告を行う免許を持つのが、通関士であり、通関士が所属して申告作業をするのが通関業者じゃ。
ウサギさんそうなんですね、通関士は税関の人だと思ってました。
通関士は資格者で、税関はお役所ですね。
フクロウ博士うんうん。関わってみるまで、わからないものじゃな。
ウサギさんそうですね。無事通関が切れると、ようやく貨物を港から出せて、トラックやトレーラーで運ばれるんですね。
フクロウ博士そうじゃ、そこで最終的に荷物を預ける「倉庫会社」も、物流に関わる業者の一つじゃな。
まとめ：それぞれの会社の役割
ここまで登場した会社をまとめよう。
- フォワーダー：国際物流における手続きや輸送の手配を取りまとめる事業者
- 船会社：船舶を所有して、輸出国の港から輸入国の港まで貨物の運送を扱う事業者
- ステベ：港で貨物の積み下ろしをする港湾会社
- 通関業者：輸入者に代わって申告を行う会社
- 運送会社：トラックを使って、荷物を届ける会社
- 倉庫会社：荷物を保管する倉庫を保有・運営する会社
ウサギさんだいぶすっきりしました！ありがとうございます！
よかった、よかった。ウサギさんの耳もピーンと立っているな。
あ、ぴょーんと飛んで行った。
フクロウ博士から、物流の流れを学んでウキウキのうさぎさん。
でも、これは国際物流の深い深い世界の入り口でしかありませんでした・・・。
どうやって荷物をおろすの？「船舶を持っている」ってどういうこと？書類のやり取りと貨物がどう連動しているの？どうやって関税を支払ってるの？うさぎさん、これから次々と疑問の山に遭遇することになるのです。
さあ、ここからは、次のシリーズ「登場人物＆物流の流れ（仮）」で深堀りしていきましょう。お楽しみに！
記事管理No.: 015-01-250317
