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【危険品シリーズ②】UN番号とは?危険品を識別する基本情報

商社で貿易事務をしているウサギさん。

今回は、「危険品」について知るシリーズ第2回目です。
ここでは、UN番号などの危険品を識別するための情報について学びます。

目次

UN番号とは?なぜ危険品に必要なのか

ウサギさん

博士、前回で危険品には海上と航空でルールブックが違うこと、そして普通貨物と比べて別物のフローがあることが分かりました。
でも実際に案件を進めようとすると、すぐに「UN番号を確認して」って言われるんですよね。UN番号って、何なんですか?

フクロウ博士

よし、それでは今日はそこから始めようかの。
UN番号とは、国連が定めた危険品ごとの識別番号じゃ。「UN」はUnited Nations(国連)の略で、危険品として輸送する可能性のある物質や製品に、それぞれ固有の4桁の番号が割り振られておる。

ウサギさん

4桁の番号、ですか。例えばどんな感じですか?

フクロウ博士

例えばエタノール(エチルアルコール)ならUN1170、ガソリンならUN1203じゃ。この番号を見れば、世界中どこの国の人でも「何の物質か」を共通認識できる仕組みになっておる。

ウサギさん

なるほど、言語が違っても番号は共通なんですね。それは確かに便利ですね。

フクロウ博士

その通り。危険品の輸送は世界をまたいで行われるからの。日本語も英語も関係なく、番号で物質を特定できることが重要なんじゃ。書類にもラベルにも必ず記載が求められる、危険品業務の出発点とも言える情報じゃよ。

押さえておきたいポイント

  • UN番号とは、国連が危険品ごとに割り振った4桁の識別番号
  • 言語に関わらず世界共通で使われ、書類・ラベルへの記載が必須
  • UN番号を確認することが、危険品業務の最初の一歩になる

CLASSとは?危険品の「危険の種類」を示す分類

ウサギさん

UN番号で物質が特定できるのは分かりました。でも危険品って、「爆発する」「燃える」「毒がある」といろんな種類がありますよね?その違いはどうやって分類しているんですか?

フクロウ博士

それがCLASS(クラス)じゃ。危険品はその危険性の種類によって、Class 1からClass 9まで大きく9つに分類されておる。

ウサギさん

9つもあるんですか!それぞれどんな種類なんですか?

フクロウ博士

簡単に言うとこうじゃな。

Class 1 ・・・ 爆発物
Class 2 ・・・ ガス類
Class 3 ・・・ 引火性液体
Class 4 ・・・ 可燃性固体など
Class 5 ・・・ 酸化性物質・有機過酸化物
Class 6 ・・・ 毒物・感染性物質
Class 7 ・・・ 放射性物質
Class 8 ・・・ 腐食性物質
Class 9 ・・・ その他の危険物

ウサギさん

エタノールはClass 3の引火性液体になるんですか?

フクロウ博士

その通り。引火点が低く燃えやすい液体じゃからの。このClassを見れば、「この物質はどんな危険性を持っているか」が一目で分かるようになっておる。ラベルのデザインもClassごとに決まっておるから、見慣れてくると番号を見なくてもひと目で危険の種類が把握できるようになるぞ。

ウサギさん

なるほど。UN番号で「何の物質か」が分かって、Classで「どんな危険があるか」が分かるんですね。

PG(容器等級)とは?危険の「程度」を示す等級

フクロウ博士

よく整理できておるな。さらにもう一つ、PGという情報も重要じゃ。

ウサギさん

PG?

フクロウ博士

Packing Group、日本語では容器等級と呼ぶ。同じClass 3の引火性液体でも、引火点が非常に低くて猛烈に危険なものもあれば、比較的危険度が低いものもある。その危険の「程度」を示すのがPGじゃ。PG Iが最も危険度が高く、PG IIが中程度、PG IIIが比較的低い、という3段階になっておる。

ウサギさん

同じ「引火性液体」でも、危険度に差があるということですね。

フクロウ博士

そうじゃ。このPGによって、使用できる容器の規格や梱包の強度が変わってくる。危険度が高いPG Iほど、より頑丈な容器が求められるわけじゃ。UN梱包(国連規格容器)の話と深く関わっているが、梱包の詳細については別の回で取り上げることにしよう。

ただし、すべての危険品にPGが設定されているわけではないことも覚えておいてほしい。ガス類(Class 2)や放射性物質(Class 7)、爆発物(Class 1)などはPGが適用されない。PGはあくまで「該当する危険品に設定されている場合の情報」として捉えておくとよいぞ。

ウサギさん

PGがない危険品もあるんですね。てっきり全部にあるものだと思っていました。

フクロウ博士

実務でよく扱うClass 3(引火性液体)やClass 8(腐食性物質)などにはPGが設定されておるから、まずはそこを押さえておけば十分じゃ。

ウサギさん

つまりUN番号で物質を特定して、Classで危険の種類を確認して、PGで危険の程度を把握する、という3セットで考えるんですね。

フクロウ博士

まさにそうじゃ。この3つがそろって初めて、その危険品をどう扱えばよいかが判断できる。

3つの基本情報の関係を整理すると、次のようになります。

UN番号:どの危険品か(物質・品名を識別する番号)  例)UN1170 → エタノール
CLASS:どんな危険があるか(危険の種類)       例)Class 3 → 引火性液体
PG:どれくらい危険か(危険の程度)
   例)PG II → 危険度は中程度。ただしClass 1・2・7などPGが設定されない危険品もある

Proper Shipping Nameとは?「商品名」と「危険品としての品名」は別物

ウサギさん

ここまでの話でだいぶ整理できてきました。ところで、書類に品名を書く欄がありますよね。あれって商品名を書けばいいんですか?

フクロウ博士

それが落とし穴なんじゃ。
危険品の書類に書くべき品名は「商品名」ではなく、「Proper Shipping Name(正式品名)」と呼ばれる、IMDGコードやIATA DGRで定められた危険品としての品名でなければならん。実務ではPSNと略されることも多いから、覚えておくとよいぞ。

ウサギさん

え、商品名じゃダメなんですか?

フクロウ博士

例えば「接着剤」という商品名を考えてみよう。接着剤といっても、メーカーによって中身は全然違う。引火点が低い溶剤系のものはUN1133 ADHESIVESとして危険品になる。一方、水性タイプで引火性がないものは危険品に該当せず、UN番号もない。さらに腐食性を持つものであれば、また別のUN番号になる可能性がある。

ウサギさん

「接着剤」という商品名は同じでも、UN番号がバラバラになるんですね……!

フクロウ博士

その通り。危険品かどうか、どのUN番号になるかは、商品名ではなく中身の成分・性質によって決まる。だからこそ、SDSをしっかり確認して、その物質の正確なProper Shipping Name(PSN)を特定することが、危険品業務の第一歩になるんじゃ。

ウサギさん

じゃあ、荷主から「接着剤を送りたい」と言われても、SDSを見るまでは危険品かどうかも分からないということですか?

フクロウ博士

そうじゃ。商品名だけで判断してはいかん。特に輸入案件では、外国のメーカーから受け取ったSDSをしっかり確認して、UN番号・CLASS・PG・PSNをセットで把握することが求められる。これができないと、そもそもブッキングの事前申告も正確にできんからの。

もう一つ、実務でよく見かけて初心者が戸惑いやすい表記がある。「N.O.S.」じゃ。

ウサギさん

N.O.S.?見たことがある気がしますが、何の略ですか?

フクロウ博士

Not Otherwise Specified、日本語にすると「特定品名なし」という意味じゃ。危険品のリストには数多くの物質が登録されておるが、すべての物質に固有のUN番号があるわけではない。リストに該当する固有番号がない物質を輸送する場合に、N.O.S.という総称的な品名を使うんじゃ。

ウサギさん

具体的にはどういう形で使うんですか?

フクロウ博士

例えば引火性液体だが固有のUN番号がない物質の場合、「UN1993 FLAMMABLE LIQUID, N.O.S. (XYLENE)」という形でProper Shipping Nameを記載する。括弧の中に、その物質の実際の化学名を追記することが求められるんじゃ。

ウサギさん

N.O.S.と書くだけではなく、化学名も括弧に入れて書くんですね。

フクロウ博士

そうじゃ。「N.O.S.」というのは「どれにも当てはまらないもの」という意味じゃから、何の物質かを別途明記せねば意味がない。これも商品名だけでは絶対に対応できない部分で、SDSで成分をしっかり確認しなければ書けない情報じゃよ。

ウサギさん

商品名と危険品としての品名(PSN)は全くの別物で、N.O.S.のような特殊な書き方もある……。きちんとSDSを読まないと対応できないんですね。

まとめ

危険品業務の基本は、UN番号・CLASS・PG・Proper Shipping Name(PSN)という4つの情報をセットで把握することです。改めて整理すると次のようになります。

UN番号:どの危険品かを識別する4桁の国際共通番号。危険品業務の出発点
CLASS:どんな種類の危険があるか(爆発・引火・毒性など)を示す分類。Class 1〜9がある
PG(容器等級):どれくらい危険かを示す等級。PG I(高)・II(中)・III(低)の3段階。Class 1・2・7など、PGが設定されない危険品もある
Proper Shipping Name(PSN):IMDGコード等で定められた危険品としての正式品名。商品名とは別物
N.O.S.:固有のUN番号がない物質に使う総称的な品名。括弧内に化学名の追記が必要(例:UN1993 FLAMMABLE LIQUID, N.O.S. (XYLENE))

そして重要なのは、これらの情報は商品名からは分からないという点です。SDSを確認し、物質の成分・性質をもとに正確に特定することが、危険品業務の基本姿勢になります。

記事管理No.: 050-01-260831

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